食品や医療機器など、異物混入防止と美観を実現する 品質管理「不具合率0.025%以下」

 食品機器・医療機器といった特異の分野に使用されるメカ部品を取り扱う山一産業にとって、異物混入の防止や美観へのこだわりは、至極当然と言っても過言ではありません。なぜならば、食料機器・医療機器の分野には、その分野ならではの高い基準が随所にあり、その基準を克服するための数え切れない「挑戦の結果」をベースとして日々生産を行っているからです。
 

より不具合品発生のない生産環境を目指して

 私たち山一産業では、異物混入の防止や美観を維持するために、最終検査工程での判断を待つまでもなく、全加工工程を通じてその製品のゆくえを見守っています。製品を取り扱う際の保護ビニールや緩衝材の使用は勿論のこと、加工作業そのものでそれらの原因となる要因を徹底的に分析し、作業環境や加工方法、作業手順などを常に見つめ直すことで、「汚れ」や「手あか」の付着にまでこだわった生産体制を確立しています。
 また、厳しい品質管理と検査基準を無事クリアした製品は、出荷工程においても再び最終の製品確認が行われ、必要に応じて脱脂処理やメタノールによる拭き上げを行うことにより、更に美観の向上に努めています。小さな製品は一点一点袋詰めを行い、また大きな製品にはふんだんにエアキャップを使用するなど、製品のサイズや形状、材質に最も適した「こだわりの梱包」を行っています。
 

 
 このように、山一産業では異物混入や美観の問題は元より、不具合品の発生を極限に抑えるべく、不具合品を発生させないためのあらゆる工夫やしくみ作りに余念がありません。不具合品発生の原因が主に人為的なものであることから、その改善対策の多くを人にスポットを当て、かねてから品質に対する意識の向上に努めて参りました。
例えば、毎週必ず行っている全員参加型の「5S活動」があげられます。5S活動はもともと整理・整頓を目的とした活動ですが、当社では本来の目的に加え、その活動中に芽生える「不具合が起こる前の発想」、つまり「気づきの心」の育成を目的として取組んでいます。
 
また、部署単位で行われる「毎日面談」もそれにあたります。日々の作業をよりしやすくするために、作業者それぞれの持つ発想や思い、心の健康状態をも含めたヒヤリングを毎日行うことで、問題となっている目に見えないマイナス要素とその打開策を見つけだし、改善と擦り合わせを繰り返すことで、昨日にはなかった、「より不具合品発生のない生産環境」を作り出しています。
 
品質には、良くも悪くも必ずその裏付けがあり、その大半は「人の意識」が鍵を握っていると言えるでしょう。山一産業では、このような基本プロセスの積重ねにより、年間受注件数100,000件に対し不具合件数25件という、板金業界としては比類なき数値を達成しています。かたくななまでの品質へのこだわりと、研ぎ澄まされた感性で、「不具合率0.025%以下」の世界へといざないます。

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